「俺は隊長にどう接したらいいんだ」

この前の戦いはすさまじかった。一番隊山本隊長をはじめとして様々な犠牲者が出た。六番隊隊長朽木白哉も命を落とす瀬戸際の重傷を負った。その為長い治療生活を送る事になったのだが、白哉の体の傷が癒え始めた頃、恋次は治療にあたっていた四番隊の者からある事を告げられたのだ。

それは衝撃的な内容のものだった。

「体は順調に回復しているのですが、唯一男性としての機能がもう使えないのです」

つまり朽木家の直系の跡継ぎが残せないと言う事だ。

白哉は朽木家をとても大切にしている。朽木家の直系が自分の代で終わると知ったらどんなに辛いだろうか。

恋次は頭を抱えてしまった。

更に体は回復しているが、それは日常生活を送れるくらいに回復したということで、隊長職に復帰出来る位の状態ではないという。

白哉は二重の苦しみを受ける事になるのだ

苦しむ白哉は見たくない。

何故なら恋次は白哉に恋していたから、それはもう本当に長い間。

きっかけは幼馴染のルキアが朽木家の養子になったこと。

六番隊隊長朽木白哉の噂は真央霊術院には常に流れていた。憧れる者も多く恋次に耳にも数多くの噂が入って来た。しかし当時は興味がある訳ではなかった。恋次の望みは幼馴染のルキアと共に強くなり死神になって、死んでいった孤児仲間の為にも生き抜くこと、そして彼らを弔う事、彼らのような孤児を一人でも少なくするために虚を倒す事だった。だから自分を磨く事のみに真剣になっていた。その為に恋次に護挺十三隊の事を深く知る機会はなく、正直入れてくれるのならどこでも良かった。できれば居心地が良い方がいいとは思ったが。

しかし、それはルキアが名門朽木家に養子に入った事で変わった、

恋次は歓迎していたのだ、最初は朽木家に養子に入る事を。だが、衣食住には恵まれたが、ルキアに幸せはもたらさなかった。

朽木家には心が無かったのだ。

だからこそ恋次は六番隊に入りたかった。ルキアを養子にする事を決めた本人、名門貴族朽木家の当主であり、六番隊隊長であり、屈指の実力者、その白哉を越え力、財力、名誉、全てを手に入れて正々堂々とルキアを取り戻したかった。ところが恋次は配属されたのは十一番隊、六番隊とは正反対の戦闘集団だった。白哉は恋次から遠のいてしまった。

近寄れない近づけない白哉という存在に対して、恋次の心は日々傾けられていった。

十一番隊で仕事に励みながら、六番隊に異動希望を出し続ける日々、それでも恋次はあきらめなかった、努力を重ね精進を重ねた。それが認められたのか、とうとう恋次は六番隊に入る事ができた、それも白哉のすぐ下、副隊長としてだ。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送